監督:池田敏春
出演:白都真理
清水健太郎
江藤潤
「人魚伝説」なんて牧歌的なタイトルからは想像もつかないハードなお話。白都真理は、まさに「体当たり」の熱演。
やくざ映画かと思うような血しぶきや性描写にびっくりしたり、そのくせ昨今じゃとんとお目にかからない「ぼかし」が入っているのが妙に滑稽だったり、いろいろなところに時代を感じる。
それにしても、社会的正義も名誉もどうでもよくて、ただただ己の思いを遂げるために突き進んでいくヒロインの強さが、なんだかよくわからないけれども切なくて泣けた。超非現実的ではあるのだけれど、そんなことはどうでもよくなるぐらいの壮絶さである。
リアリティを追究しない、結論をはっきり言わない作り方が、この作品にはとても合っている。まさに「伝説」。
最後は自然まで味方につけ、神の領域に達しようかというほどのヒロインのあまりの強さ、不死身っぷりに、序盤で夫が「殺されても死なない」と言っていたのはこのことだったのか・・・と変に納得。・・・っていうか、この時代で言うと「コマンドー」のシュワちゃんとか、「ランボー」並なんですけど・・・
鑑賞日:2013年3月4日
製作:1984年・日本