監督:ISABEL COIXET
出演:SARAH POLLEY
SCOTT SPEEDMAN
DEBORAH HARRY
突然、余命数カ月と宣告された20代前半の女性が、死ぬ前にやりたいことをノートに書き出し、着実に実行していく。滅茶苦茶ウェットな題材を、実に淡々と描いているところが素晴らしい。
10代で結婚して、まともな仕事もないくせに子ども作って、なんていう頭悪そうで貧乏くさいお話は本当は大嫌いなのだが、この主人公はそんな生活をしているくせに不思議なことに馬鹿じゃないのだ。実に冷静で、あり得ないほどしっかりしていて、とてつもなく精神的に強く、情が深い。この期に及んで、大切なことは夫より医者に頼む冷静さに、ちょっと笑ってしまった。
ダメ男のハズの夫も、可愛いルックスと愛に満ちた優しさで、なんだか許せてしまう。というか、登場人物すべてが実は非常にいい人ばかり。悲しいお話なのに、とても優しくて暖かい。
ところで、お母さんは、ブロンディのデボラ・ハリー。実は彼女が出演した映画、他にも複数見ていたことに初めて気付いて、ちょっとびっくり。
鑑賞日:2004年5月16日
製作:2003年・カナダ/スペイン