☆ マスカレード・ナイト

監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉
   長澤まさみ
   沢村一樹
   麻生久美子

 いろいろと、ありえなさ過ぎて突っ込みどころ満載。大晦日の夕方から夜に、あんなに次々と人定作業が進むわけないだろ。ってか、これ、コメディ映画だったんですかね? 推理する部分もあまりないし、ハラハラドキドキもない。ミステリーとかサスペンスを期待した私が悪かったの???

 とりあえずゴージャス感だけはあるけど、それも時代錯誤な感じの。一体いつの時代設定だよ?! (ノリノリな曲が流れる「仮装パーティー」ならまだ分かるけど)仮面舞踏会だのアルゼンチンタンゴだのって、今時、そんな古くさいパーティーやってるホテルがあるか!

 そもそも演出がいちいち過剰で、くどくて、うんざりする。特に頭のほうで何度も何度もキムタクが踊っているシーンが割り込んでくるのには心底イライラした。

 あとこれは「マスカレード・ホテル」の感想にも書いたけど(まあ、原作がそうなのだろうけど)「お客様は神様です」っていうの、もう本当に止めてくれ。実に日本的サービスではあるけれど、昨今は客のモラルの底が抜けてるんだから。客のほうにも良心とか遠慮とかがあって初めて、「お客様は神様です」が成り立つ。傲慢で身勝手で厚かましい客の非常識なわがままを聞くのがサービスだと勘違いしているような、クソ客の言うことなんぞ、断固拒否すべき。挙げ句に、客のナンパの手伝いまでするって、21世紀にもなってモラル的にもあり得ない。

 本当にバカバカしくて見ていて不愉快きわまりない。

 欧米だったら客も従業員も基本的に対等目線だから、それこそ「馬鹿なことを言うな」で一笑に付される。もしくは、横暴な要求に見合う(超高額な)対価を払え、というお話(大量のお花代とか営業時間外にレストランを開けさせた料金とか風船代とか余分な人件費とか特注ケーキ代とか、きちんと請求しろよ!)。まあ、アメリカの高級ホテルで客のわがままをあそこまでうまくさばけたら、給料よりチップのほうがずっと多くなるだろうね。バカバカしくて日本になんか戻って来られなくなるわ、普通。

 肝心のオチも「大山鳴動してネズミ一匹」レベル。動機と犯罪がまったく結びつかない。そんな理由であんな犯行するヤツ、いね〜よ! 殺したいけど死ぬとこ見たくないなら、タイマー1分で十分だろ!(ってか、だったらそもそも殺すな!) 囮うんぬんも(犯人は一般人のはずなのに)強引過ぎ。

鑑賞日:2022年4月28日
製作:2021年・日本


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