監督：SERGEI BODROV
出演：浅野忠信
　　　HONGLEI SUN
　　　KHULAN CHULUUN

　かなりぶっ飛ばし気味のストーリー展開だし、主人公の倫理観や義理人情も理解に苦しむけど、モンゴルの雄大な大自然は素晴らしい。クライマックスの戦闘シーンもド迫力。我が家のテレビが47インチ液晶になった直後で、タイミングが良かった。

　母の元を離れた後、主人公がどうやって成長したとか、どうして強くなったとか、そういったことは一切描かれていない。成長してからの話も、いきなり主人公がかなり大きな集団を率いていたりして、かなりブチブチと飛ばされている印象だ。まぁ、ジンギスハーンの半生を丹念になぞっていったら軽く３〜４時間はかかるだろうから仕方ないが、あまりお目にかからない構成だ。

　兄弟（の契りを結んだ）役のHONGLEI SUNの迫力が素晴らしくて、浅野忠信は完全に貫禄負け。妻役のKHULAN CHULUUNも、したたかで強くたくましい女性を見事に演じている。本職の役者ではないようなのだが、これまた浅野忠信をしのぐ存在感。もっとも、この映画の内容が真実であれば、ジンギスハーンが存在し得たのは99％妻のお陰。妻のほうが存在感があるのも当然か。

　浅野忠信も全編モンゴル語で頑張ってるし、悪くないけど、別に彼じゃなくても良かったかなぁ、という印象を受けた。

鑑賞日：2008年12月21日
製作：2007年・ドイツ／カザフスタン／ロシア／モンゴル