☆ 萌の朱雀

監督:河瀬直美
出演:尾野真千子
   和泉幸子
   柴田浩太郎

 國村隼以外の登場人物はすべて素人を使ったという、驚きの映画。河瀬監督の長編デビュー作でもあり、カンヌ映画祭で新人賞も受賞したとか。(きっと、外国での上映ゆえ字幕がついたのだと思うが、字幕でちゃんと説明してもらったほうがわかりやすくて観やすいかもしれない)

 先に文句を言わせてもらうが、登場人物の人間関係が全然わからない。あまりにもわからないので、後から関連サイトをたくさん見てしまったが、どうやら他の人たちもわからなかったようで安心した。普通は関連サイトより映画を先に観るほうが楽しめると思うが、この映画に限っては下調べをしてから観たほうがいい。これから観る人のために書いておくと、家族5人の関係は、お父さん、お母さん、一人娘、お父さんの母(おばあちゃん)、お父さんの甥、なのだそうです。

 作品は、本当に淡々としている。ドキュメンタリーだと言われれば、そうかな、と思ってしまうほどだ。素人役者だから大根だ、というわけではない。演技とは思えないほど淡々と、ドキュメンタリーかと思うほどそれっぽく演じている。特に、いとこ同士を演じる2人は、本当にいい。

 景色は、非常に美しい。日本の山村の夏の緑が、まぶしい。

 一人娘の、人生の中のほんの短い一瞬だけに誰もが放つ輝き、この瞬間だけのきらめきが、まぶしい。

鑑賞日:2001年1月25日
製作:1997年・日本


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