監督:真利子哲也
出演:池松壮亮
蒼井優
井浦新
一ノ瀬ワタル
あり得ないぐらい評価が高いので見てみたのだが、なんだか共感できる部分がみじんもなかった。池松壮亮も蒼井優も、演技がものすごいのはよく分かるんだけど、そのキャラに共感できない場合は演技がうまいほど不快度も高まる。途中まで、見るのを中断しようかと何度も迷ったぐらい。
ちょうど真ん中あたりの山場を越えたあとは、勢いで最後まで集中して見られた。終盤、非常階段でのクライマックスは、なかなか面白かった。
それにしても出来事の前後関係が分かりにくいし、そもそも人間関係もよく分からない。見終わった後で、原作がマンガで、さらにドラマ版が先にあったことを知ったけど、129分もの長い映画なんだから映画だけ見た人にもちゃんと分かるように作ってほしい。先輩宅(?)でのパーティーのシーンなんて、ドラマ見ていない人を混乱させるだけで、不要。
でもって、普通に警察に行ったら良かったんじゃないの? なんて言っちゃったら、元も子もないが・・・。
私からしたら、「拓馬」より、佐藤二朗演じるセクハラおやじ「大野」の方が百万倍不快だったわい。「大野」の妄言と蒼井優演じる「中野靖子」のムカつく態度のせいで、あんなことになっちゃったんじゃないの?とも考えちゃうし。そのぐらい、ヒロインのキャラは不愉快だったな。主人公も、有言実行でがんばってるのは分かるけど、完全な独りよがりの空回りキャラだし。ああいう「俺様」キャラは、「中野靖子」みたいな我が強いキャラとは合わないでしょ。もっと他力本願な子と付き合わないと(それじゃあ、ドラマとして面白くないのは分かるけどね)。
鑑賞日:2020年8月12日
製作:2019年・日本