☆ リズと青い鳥

監督:山田尚子
声の出演:種崎敦美
     東山奈央
     本田望結
     藤村鼓乃美

 ロサンゼルス郡図書館の会員が映画や音楽を借りられるサイトにあったので、たまたま見たこの作品。「ユーフォニアム」シリーズは、いっさい未見。

 うぅ〜ん、なんというか・・・京都アニメーションの映像が非常に美しいことは分かった(そして犯人に対する怒りが再燃した)。表現したかったことも分かる。しかし、シリーズ他作品を見ずにこの作品だけ見ると、主人公の鎧塚みぞれにあまりにも魅力がなさ過ぎて、すべてがぶち壊しのドッチラケ。いや、もしかするとシリーズ他作品を見ても、鎧塚みぞれの印象は変わらないのかもしれないが、とにかくこの主人公があまりに暗くてウジウジしているから見ていてイラつく。普通、こんな根暗なヤツ、誰も相手にしない。どうして人気者の傘木希美が仲良くしてやっているのか、他の仲間も鎧塚みぞれを思いやりこそすれ、いじめたり無視したりしないのか、全く理解不能。いくらオーボエの演奏がうまくても、現実だったらこんなヤツ、誰も相手にしないし、いじめられても全く不思議じゃない。「ユーフォニアム」ワールドには、心優しいマザーテレサみたいな人しかいないんですか???

 繰り返しになるけど、表現したいことはよぉ〜っく分かるんだよ。繊細でキラキラして壊れやすいからこそ美しい、青春の光と影、交差する思い。この年頃にはありがちな同性に対する淡い恋心。しっかしねぇ、もうちょっと主人公を魅力的に、少しぐらいは共感できるようなキャラにしてもらわないとねぇ。これじゃ、共感できる部分ゼロ。

 見ているうちに、遠い昔に見た「櫻の園(1990年)」という映画を思い出した。面白くて、愛おしくて、いい映画だったな。またいつか、見たいな。

鑑賞日:2019年10月26日
製作:2018年・日本


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