監督:白石和彌
出演:役所広司
松坂桃李
真木よう子
江口洋介
つい先日、「凶犬の眼」を読んだばかりなので、順番は逆になるものの、「凶犬の眼」では回想にしか出てこない「ガミさん」がどんな人だったのかも分かり、かなり楽しめた。もっとも、本を読みながら自分で頭の中で作り上げた「ガミさん」や日岡のイメージは、もっと無骨、具体的には短髪でがっちりしていて・・・という感じで、役所広司や松坂桃李の外見とはかけ離れている。先に映画を見ていたら、本を読みながら彼らのイメージが頭に浮かんでしまっただろうから、本が先で良かった気もする(無骨なイメージ故に楽しめた部分があったので)。
全編に渡るリアルで迫真の映像には、感心する。(押し込み式じゃなくて)プルトップの缶ビールとか、わざわざ撮影のために作ったのだろうか? 死体や拷問の映像も、メジャー映画の限界に挑戦しているかのようなリアルさ、過激さで、そこまで見せてくれるのか?!と、驚いた。
松坂桃李は、危惧していたほど線が細い感じでもなく、彼なりに精一杯、原作のゴツゴツ感や広島っぽさを出していて、好印象。役所広司は、タケシに「何をやっても役所広司」と言わせたように本人の色が濃すぎて、悪くはないんだけど微妙な感じ。
中村倫也は、不細工のくせに何故かイケメン扱いで、臆面もなく高校生の役とかやってるところが不愉快だったのだが、こういうイッちゃってる役にはハマるな。それにしても、よくもまあ人相の悪い役者をあれだけ揃えたもんだ。ってか、記者までヤクザヅラしてなくていいし・・・ホント、人相悪いなぁ、中村獅童。
鑑賞日:2019年2月2日
製作:2017年・日本