監督:根岸吉太郎
出演:役所広司
渡辺謙
麻生祐未
かっこいい映画である。
数々の非現実的な設定も、役所広司の存在感の前では気にならない。周りを固める役者たちが個性をあまり主張していないところがまた、役所の存在感を高めている。故意にそうしたのか、結果的にそうなってしまったのかは不明だが、いい感じに成功している。
作品中唯一、役所並のインパクトを放っているのが、ヤクザ側の役所と対峙する警察側の渡辺謙。2人ともが硬質な2枚目であるため、作品全体の印象が締まりまくっている。
かと思うと、クラッシック演奏の場面にたっぷり時間をとってみせる。きらきら光る海面のインサートが何度も入る。穏やかな時間が流れる。
終盤30分は、息が詰まる緊張感も楽しめる。
とにかく、非常にかっこいい映画なのである。
鑑賞日:1999年12月22日
製作:1998年・日本