監督:北野武
出演:金子賢
安藤政信
石橋凌
えらい久しぶりにプロレス以外のビデオを見た。この作品、インターネットに連載されていた小説の方を読んだことがある。改めて読んでみたら、ウェブ小説の方は映画の続編になっているようだ。どうりで映画は、主人公たちの高校生活を描いているわけだ。小説が結構、「終わっ」ちゃってるのに対し、映画の方は青春の1ページといった感じ。
私が愛する、北野作品に共通の淡々とした場面の展開は、この作品でも健在だ。いくらでもじっとりと描けそうな内容が、乾いた暗めの画面に感傷を排して映し出される。
そこらにころがっていそうな高校生活に、非常に郷愁を覚える。かつてどこにでもいたような、登場人物の一人一人、彼らの生活の1コマ1コマが愛おしい。そして、それぞれの道を歩き出す彼らのそれぞれの姿が、同じ時間軸を通して描かれていく。例によって、余分な説明は一切ない。
どちらかというと小説の方が、救いのない、いつもの北野作品的である。しかし、こんな風に無条件に愛おしい北野作品も、なんだかとってもいい。
鑑賞日:1998年11月5日
製作:1996年・日本