☆ 紙の月

監督:吉田大八
出演:宮沢りえ
   池松壮亮
   小林聡美
   近藤芳正

 見ていてなんだか、心臓がばくばくしてしまった。「止めときゃいいのに」「そこまでにしときなよ」「ああ、もう止めなよ、ホントに」・・・。自分は他人の金を扱うような仕事をしたことがなくて、本当に良かったな。時々、横領して愛人に巨額を貢いでいた人が逮捕されるけど、みんなこんな感じでずぶずぶと救いのない快楽にはまっていくんだろうなぁ。

 宮沢りえの演技が素晴らしくて見応えがあった。ただ、終わり方が飛躍し過ぎ。中学時代の回想シーンの落とし前を、無理矢理にでもつけるためか? 申し訳程度の前振りでいきなりラブホっていうのが唐突だったりはするものの、終わり方以外は割とリアリティがあっただけに、少しがっかり。

 でも考えてみると、ダンナのあまりの天然ぶりも、リアリティがないかな。天然なだけのダンナならたくさんいるだろうけど、仕事はできるのに妻の変化にあんなに無頓着で、酷い態度に怒りもしないって、現実にはあり得ない。

 それにしても、何の予備知識もなしに見たら、最初からもっとドキドキハラハラ楽しかっただろうなあ。さんざんメディアで取り上げられていたので、見る前からあらすじが分かってしまっていたのが非常に残念。

 映画と直接関係ないけど、大島優子って初めて見た。メディアで常に前田敦子と並び比べて報道されているから、外見も前田敦子ぐらい強烈なのかと思ったら、全然普通でびっくり。どこにでもいそうな、中の上のおねえちゃん、って感じ。声なんか、一歩間違うと下品になりそうなハスキーボイスだし。あれがグループ内でそんなに突出した人気者だったのかいな・・・??? まあ、役者としては普通っぽい外見の方が幅広い役柄に対応できて得かもね。

鑑賞日:2015年7月17日
製作:2014年・日本


− ビデオ感の目次に戻る
− 映画関連コーナー目次に戻る
− トップに戻る