監督:CLINT EASTWOOD
出演:渡辺謙
二宮和也
伊原剛志
中村獅童
まず第一に、ハリウッド映画でありながら、日本人役にすべて本物の日本人の役者を使っているところが素晴らしい。ハリウッド映画にありがちな、日本人役アジア系アメリカ人の何言ってるのかさっぱりわからない日本語のセリフを聞くと、それだけでかなり興ざめしてしまうから。
いかにも「日本的」な、理不尽かつ無意味な精神論には吐き気がする。捕虜になったり撤退するぐらいなら自殺しろ、などというふざけた時代の日本に、渡辺謙演じる栗林のような合理的で人間らしい上官が実際にいたのだとしたら、少しは救われた気分になる。
アメリカ人も日本人も、ステレオタイプに描いていないところが、またいい。どこの国にも、卑怯なヤツがいれば立派なヤツもいる。いろんなヤツがいる。それが真実だから。
それにしても、勝つ見込みのない戦。敵にも殺され、味方(上官)にも殺され、生き残れば自殺を強いられる。まさにこの世の地獄。こんなことを繰り返したくて仕方のない連中(政治家)が、未だに世界中にうようよいることが信じられない。そりゃ自分は安全な場所にいて、痛くもかゆくもないし、場合によってはボロ儲けできるんだろうけどね。
鑑賞日:2007年6月22日
製作:2006年・アメリカ