監督:MICHAEL MANN
出演:AL PACINO
RUSSELL CROWE
CHRISTOPHER PLUMMER
実話に基づいた硬派なドラマ。巨大タバコメーカーを首になった男が、すべてを捨てて内部告発を決意。彼はもちろん、彼のインタビューを放送しようとするテレビ局のプロデューサーにもさまざまな圧力がかかる。会社も人もすべて実名だそうで、こんなこと映画にしちゃっていいの?!という内容。非常に見応えがある。
それにしても、アメリカの訴訟社会ぶりを改めて感じる。タバコが体に悪いこと、習慣性があることなんて、誰でも知っているのに、改めて内部の研究者に言われることを恐れる。要するに、訴訟に負けるから。
決してタバコ会社がいいとは思わないが、吸うほうだって害を承知で吸っているわけである。ましてや州がタバコ会社を訴えて金取るなんて、もっと違うような気がする。潰さずに金だけまきあげるところが、実にいやらしい。かくしくアメリカのタバコ代はどんどん高くなる。告発しているのがタバコ(=悪いことが周知の事実)ではなく、健康的なイメージの商品だったら、もっとインパクトがあって、もっと感情移入しながら見られたと思う。
昔は、タバコなんて世界中で発売禁止にしてくれたら禁煙できていいのに、と思っていた。今は他人のタバコが目障りで、やはり発売禁止にしてくれたらと思う時がある。我ながら、実に勝手なもんである。
鑑賞日:2002年3月21日
製作:1999年・アメリカ