監督:李相日
出演:森山未來
綾野剛
松山ケンイチ
妻夫木聡
広瀬すず
宮崎あおい
141分という長尺でじっくり描く、濃密な人間ドラマ。中心となる殺人事件に加え、それぞれで1本ずつ映画が作れそうな3つの心震えるエピソード。絶妙な構成と編集、合間に入る美しい景色、長さがまったく苦にならない、秀逸な作品。
演技は誰も素晴らしいが、中でも綾野剛、妻夫木聡、宮崎あおいは特にすごい。綾野剛と妻夫木聡は難しい役どころをごく自然に見事に演じていたし、宮崎あおい演じる頭の弱い女の子も本当に自然にそう見える。
芸達者オールスターな配役の中で、唯一の新人、佐久本宝も、一歩も引かずに堂々たる演技。素人ゆえに、沖縄の離島の青年という素朴な感じが出ていて良かった。
それにしても「辰哉」が、いくら泥酔していたとはいえ、どうして大好きな「泉ちゃん」を置き去りにしたのかが唯一ひっかかる。人間って普通、酔えば酔うほど本音が出るものであって、彼女に襲いかかるというのならまだ分かるが、逃げる理由ある???
鑑賞日:2017年8月30日
製作:2016年・日本