監督:曽利文彦
出演:綾瀬はるか
大沢たかお
窪塚洋介
中村獅童
もっとB級かと思ったら、意外や意外、よくできてるじゃーないですか。綾瀬はるかちゃんを見て目の保養でもしようと、それ以上の期待をせずに借りたけど、意外な拾いモノに得した気分。
まずはとにかく役者が揃ってる。大沢たかおは変な顔だから好きじゃないのだが、今回はなかなか良かった。刀を抜けない情けないお侍の役がぴったり(ってか、真剣を使えないなら、木刀持ち歩くとかしろよ。木刀でも人は殺せるよ)。窪塚洋介は「素じゃないの?!」ってぐらい違和感なかったし、中村獅童はさすがの貫禄。竹内力なんか、悪人ヅラだな〜、ハマり過ぎて怖いわ(ってか、くど過ぎる。親分より目立ってるし)。子役もなかなかいいし、他、周りを固める役者陣も概ね良し。
そしてそして綾瀬はるか。いつ見てもうっとりするような綺麗なお顔。着物だけわざとボロボロに見せても、流れ者の旅芸人にしては小綺麗過ぎだろ!なんてツッコミは、この際なしにしましょう。天然っぽいイメージが強い彼女だけど、なにしろ元が正統派美人だからシリアスな役もよく似合う。悪いヤツを片っ端から切って捨てる彼女の勇姿に、見ているほうはすっきりさわやか。本物の殺陣なんか最初から期待してないし、スローモーションでもなんでも格好良ければオッケー。盲目の演技が下手だなんて、そんなこと別に求めてないからいいでしょ?
もちろん、脚本もいい。完成して悟りきった「座頭市」ではなく、まだ若くて迷い悩み苦しむ「市」がそこにいる。西部劇のエッセンスもところどころに感じられたりして、最初から最後までいい雰囲気だ。
久しぶりに、もっと見ていたいのにもう終わっちゃうの?!と感じた映画だったな。
鑑賞日:2009年11月13日
製作:2008年・日本