監督:TERRY GEORGE
出演:DON CHEADLE
SOPHIE OKONEDO
NICK NOLTE
最初のほうでジャーナリストたちが、フツ族とツチ族の違いについて語る場面がすべてを象徴している。両者の違いなんて、誰が見ても分からない。どちらも元々は同じ民族だったのに、侵略者であるベルギー人が勝手に人々を分類し、都合良く利用した。いつだってそうだ。アジアでもアフリカでも、侵略者たちが自分たちの勝手な都合で民族を分断し、紛争の元を産みだし、いざ紛争になれば武器や兵力の供給まで行う。犠牲になるのは、ただたまたまそこに生まれ住んでいたというだけの人々。
DON CHEADLEの演技はすばらしい。家族を愛するただの男が、苦悩しながらも正義感と良心に逆らえずに動いていたら、結果的に多くの人の命を救っていた。彼は確かに頭が良く回るし仕事ができる男ではあるけれど、ヒーローでもリーダーでもなんでもない、元々は政治的思想などなにもないビジネスマンだ。そんな普通の男の物語だから、余計に心を動かされる。
国連軍の大佐を演じたNICK NOLTEも、地味なぐらい渋いけれど光っている。
鑑賞日:2007年4月28日
製作:2004年・アメリカ/イギリス/イタリア/南アメリカ