監督:ARI ASTER
出演:TONI COLLETTE
ALEX WOLFF
MILLY SHAPIRO
GABRIEL BYRNE
これ、なかなか秀作だと思う。ホラーというよりはサスペンスという感じだけれど、緊張感と不安感に満ちた映像で観客を惹き付けて、2時間超の長さを感じさせない。
何が怖いって、何よりもまず、呪われた(?)一家の母と娘が怖い。母役、TONI COLLETTEの怪演、顔演も恐怖だし、さらに娘役のMILLY SHAPIROの作り物のような顔がとにかく不気味で何もしなくても超怖い。
先にホラーっぽくないと書いたが、てっきり幽霊物かと思いきや、西洋の恐怖映画にありがちな悪魔物。欧米のキリスト教徒にとっては怖いのかもしれないけれど、日本で生まれ育った無宗教者からしたら悪魔というのは今いち現実味がなくて恐怖もあまり感じない。しかしこの作品は、途中まで恐怖を与えてくる相手が何なのかよく分からなくて、それゆえに恐ろしい。恐怖映画にありがちな「驚かせ」によるごまかしも皆無で、じっくり楽しませてくれるドラマ性、脚本の見事さに感服。
などとさんざん褒めておいてなんだけど、最後はちょっとどうかと思うなぁ。まあ確かに最後の最後で「継承」するんだけど、何だかなぁ。せっかくそこまで積み上げてきた怖さが、ガラガラと音を立てて崩れていくような・・・
鑑賞日:2019年2月16日
製作:2018年・アメリカ