2年ほど前、マイナー系の劇場でひっそりと公開していた時「観たい!」と思ったのだが、いつの間にか終わってしまっていた。ビデオ屋の棚を何気なく眺めていたら偶然に発見、気が付いたらカウンターに持って行っていた。
舞台はアメリカの田舎町のカフェ。調理を担当する太った男、ビクターが、美しいウェイトレスに抱く恋心。ビクターは、太っていることを気にしながら痩せることもできない、マザコン気味でお人好しの小心者。名前だけは知っていたリブ・タイラーは、噂通り美しい。
全編に流れるのどかな時間と美しい映像。説明的要素を極力廃した場面展開。ところどころに入る夢想シーンのつなぎ、センチメンタルに走らない乾いた脚本、淡々としたテンポが心地よい。・・・そして、とっても優しい。派手な事件は何も起こらないけれど、何だか愛おしくなる作品。偶然、発見できて良かった。
鑑賞日:1998年3月7日
製作:1995年・アメリカ