監督:伊藤俊也
出演:千秋実
十朱幸代
西郷輝彦
加藤治子
ボケを題材にした作品。この手の作品は、なんとも切なく悲しい。登場人物が基本的に皆いい人たちであるがゆえに、ますます苦しい。ボケ老人が、家族親族の家庭を滅茶苦茶にするだけではなくて、時には家族の団結を促し、絆を取り戻す役目を果たしているのがせめてもの救い。
実際にこうした老人をどうするのが最善なのか、誰にもわからない。作品の中でボケた本人が語っているように「人はボケてなお生きるのか」である。人間の脳が長生きに対応できるまでに進化せぬうちに、肉体のみが長生きになってしまったのか。
それにしても自分の家族は誰もボケていなくて、しみじみと幸せだと思う。今年93になる祖母などボケていないどころか、毎日活動的に出歩き、月に一度は旅行に行き、私なんかより余程おしゃれで社交的なくらいである。さらに祖母の姉(97ぐらい?)も足腰は弱っているものの頭は実にしっかりしている。本当に幸せなことである。
ところで「1億万円」って(普通の人のセリフに出てくるんだけど)一体なんだよ?! 意味わからん・・・
鑑賞日:2003年3月11日
製作:1985年・日本