☆ ぐるりのこと。

監督:橋口亮輔
出演:木村多江
   リリー・フランキー
   倍賞美津子

 静かな映画だな。2時間20分という長さはそれほど感じなかったけど、大した盛り上がりもないまま淡々と時が流れていく。

 実のところこの映画、「良い作品」だと読んで以来、気になっていた。しかし、リリー・フランキーが嫌いなので(「東京タワー」は史上最悪のマザコン小説。いや、マザコン自体は結構なんだけど、自分と母は常に棚の上に置いといて他人の悪口を書きまくる、最悪)、見ることを躊躇していたのだ。ついに見てしまったわけだが、リリー・フランキーは意外に演技がうまい(まぁ、プチ整形した武蔵だと思って我慢して見よう???)。法廷シーンに登場する人たちも、報道側、被告人、証人、傍聴者など、ほとんどみんな芸達者で、手を抜いていないなという印象。

 一方、木村多江演じる翔子は、演技自体は見事なのだが、どうにも感情移入できないキャラクターだ。そもそも、普通だったらとっとと離婚するだろ? それか、離婚しないならまた子ども作るだろ? 翔子の兄も、どうして寺島進なのさ?(とんかつ屋のくだりなんか、タケシの映画かと思ったよ) さらに兄の妻の東南アジアから来たホステスみたいな女はなに? 笑いを取ろうとしてるのか? 父親に関するシーンだって、母役の倍賞美津子はそれなりに繊細な演技をしているのに、その場に兄家族がいるから雰囲気もクソもあったもんじゃない。

 さらに、主要登場人物がみんな変な顔なのは、なにか狙ってるのか? いや、倍賞美津子は変な顔と言っちゃ失礼だが、わざとそこいらのおばちゃんみたいなメイクで登場してるし。

 それに小さなクモごときで、そんなに大騒ぎするか?!普通・・・。そもそもクモって、殺すものなの? クモって他の虫を食べる正義の味方(?)だと思ってるから、殺したことないけど。イヤなら窓の外に逃がせばよろしい。

 あんな狭い風呂に夫婦で一緒に入るのもよく分からん。ってか、一緒に風呂入るほど仲良かったら、セックスも頻繁にしてるでしょ。

 あと、妊娠してるくせにセックスする日をあらかじめ決めてカレンダーに印つけて、「さあ、やろう」と夫に迫る妻なんて、少なくとも日本人では絶対にいない! いや、妊娠してなくてもいないな。妊娠することを目的に排卵日前にやろうとする妻はいるが、単に定期的にセックスをするために日を決める妻なんて、あまりに非現実的。

 見なきゃ良かったとまでは思わないし、つまらなかったとは言わない。でも、どうしてこの映画の評価がそんなに高いの???みたいな・・・

鑑賞日:2009年11月15日
製作:2008年・日本


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