☆ GRAN TORINO

監督:CLINT EASTWOOD
出演:CLINT EASTWOOD
   BEE VANG
   AHNEY HER
   CHRISTOPHER CARLEY

 随所にEASTWOODの人生観や価値観がたっぷり詰まった、彼の人生の集大成と言える作品。EASTWOOD監督作品はとても暗くて救いがないものが多く、それはそれで好きなのだが、この作品は意外なほど明るい。そして、素晴らしい。

 EASTWOODは、私なんぞが演技がどうのこうのと言うのは失礼な次元にいる人なので、改めてなんのかんのと書くつもりはないが、実に素晴らしい「愛すべき頑固ジジイ」っぷりである。いかにも、な風貌の若造神父や隣家のばーちゃんなど、適材適所な脇役陣も皆いい味出している。

 そして、見ている者の予想をあっさり裏切る落とし前の付け方には、見事にやられた。参った。涙が出た。

 EASTWOODが映画に出演するのはこれが最後と言われている(監督はまだするのかな?)。最後の作品が予想外に明るかったということは、EASTWOODが未来は決して暗くないと言いたかったのか、あるいは未来が明るくあってほしいという願いをこの作品にこめたのか。

 さらっと見ても十分に楽しめるし、あちこちにちりばめられた暗示やEASTWOODからのメッセージをあれこれ読み解いていけば、さらに味わいが深くなる。

鑑賞日:2009年8月16日
製作:2008年・アメリカ/ドイツ/オーストラリア


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