☆ THE GIRL NEXT DOOR(隣の家の少女)

監督:GREGORY WILSON
出演:BLYTHE AUFFARTH
   DANIEL MANCHE
   BLANCHE BAKER

「THE GIRL NEXT DOOR」という、ラブコメかお色気作品のようなタイトルなのに、ジャンルはHorror(※)。興味を持ってストリーミングで見てみたら、かなり重苦しい作品だった。見終わってしばらくは、喉の奥に塊がつかえたような、胸が苦しいような気分が抜けなかった。しかしこれって「Horror」か? 確かに、ハマり過ぎてあまりに怖いBLANCHE BAKERの存在はHorrorかもしれないが・・・。普通に考えたら「Crime」とかのジャンルのほうがいいような・・・

 映画を見た後でYouTubeの日本語予告編を見たところ、「(こんな陰惨な話)映画化してどうなる?」という否定的なコメントが多く書かれていたが、そんなことを言ったらもっとくだらない意図不明なゴミのような映画は山ほど作られている。実話だから作るなというのも変な話だ。この作品は確かに陰惨で救いのない話ではあるが、映画としての質はそこそこ高い。手を抜かずに、きっちりと作られている。Ruthこそ滅多にいない異常者だろうが、引きずり込まれていく少年少女はどこにでもいそうな普通の子たちで、誰もが彼らの仲間になりうる恐ろしさを感じる(現に、リンチ殺人なんて、時代や国を問わずいくらでも行われている)。最後の警官の行動だけは、いかにもDavidとMegに2人の時間を与えるためという感じがして不自然だったが、それ以外にご都合主義な場面はほとんどない。

 どうでもいいけど、日本で作られた作品だったら絶対に、夜中に姉妹が抱き合って泣きながら「パパとママが生きていれば」「天国のママ、どうぞ私たちを守って」なんて言う場面が出てくるんだろうな。妹が妙にドライで無感動無表情なのは、両親を奪い自身も大けがを負った事故によって、すでに外部に対して心を閉ざしてしまったからか。

 はっきり言って後味は悪いので、お薦め作品というわけではないが、話題性だけのキワモノ映画では決してない。

※会員になっているNetflixのサイトでのお話

鑑賞日:2010年2月12日
製作:2007年・アメリカ


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