☆ 復活の日

監督:深作欣二
出演:草刈正雄
   BO SVENSON
   OLIVIA HUSSEY
   夏木勲

 このコロナ禍に、元祖(?)ウイルス映画を改めて見てみるのもいいかな、と思ったのだが、これがまた・・・。現実味のかけらもない、とんでも映画だった。ぶっちゃけ、若い頃の草刈正雄がとんでもなく格好いいから見続けただけで、そうじゃなかったら早々に見るのを止めていただろう。

 いやまぁ、ものすご〜くお金をかけて海外の有名俳優も集めて世界中で撮影して心血を注いで製作したのは分かるのだけれど、今見るとあり得なさ過ぎて失笑してしまう。でも多分、子どもの頃は真剣に見たんだろうな、自分。「日本沈没」に草刈正雄が出ていたような気がしたのは、この作品と記憶がごっちゃになっていたからだということが、今さら分かった。

 出だしはまあパニック映画として悪くなかったんだけど、瀕死だったはずの多岐川裕美がいきなりボートを操縦している場面にはわけが分からなすぎて笑ってしまった。しかも、それっきり出てこない。この辺から、どんどんと「とんでも」ぶりが加速していく。これはまあ単なるキャスティングミスだけど、アメリカのガーランド統参議長は、ビルマかカンボジアでクーデター起こしそうな軍人にしか見えないし。

 なにより、どこのどいつがわざわざ南極基地で出産するのか?! どう考えても妊娠してたら基地に来ない。妊娠に気付かずに南極に来たって設定か??? しかも、看護師も助産婦もいない中でどうやって産んだんだよ?! 服も何も汚れていなくて赤ちゃんと母親がきれいな体で涼しい顔して整ったベッドに寝ていて、「女の子が生まれました」って、んなん、出産を何だと思っているんだ?!(もちろん、世の中にはトイレで産んじゃったとかいう話もあふれてはいるけど、現場はどんだけ血みどろだったかと思うよ。へその緒はどうしたんだ? 胎盤は???)

 しかも、一年後には南極にいた女性が皆、臨月か赤ちゃんを連れているかで、父親は誰か分からない。男女比が100対1という状況でくじ引きで男の相手するって、従軍慰安婦かよ?! 今見ると、噴飯物である。

 そもそも南極基地って何カ国でいくつあるの??? 南極に800人以上もいるもの???

 しかも、南極には全員の2年分の食料があるとか、超ご都合主義。それにしたって何年南極に立て籠もらなければならないか分からないんだから食料は超節約する必要があるのに、その状況で豪華なクリスマスパーティーなんか、誰がするんだ?! 豪華な服装も建物設備も、あり得なさ過ぎる。

 各国の基地同士も遠かったはずなのに、いつの間にかみんなで一緒に生活してるし。そんな巨大な設備が南極にあるわけない。物資だって極端に不足しているはずなのに、子ども達は普通にサイズの合う子供服着てるし・・・。

 まあ、ウイルスの話自体はあってもおかしくないかな、とは思うけど、主題はそこじゃないみたいだし・・・。なんだかなぁ・・・。草刈正雄の壮大なプロモーションビデオ???

鑑賞日:2022年2月2日
製作:1980年・日本


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