監督:大友啓史
出演:綾野剛
松田龍平
筒井真理子
中村倫也
ミステリーと紹介されていたのでそう思って見たのだが、全然ミステリーじゃなかった。昔、「さよなら妖精」という小説をミステリーと紹介されていたから読んだのに、実は青春群像劇であって全然ミステリーじゃなくて(しかも面白くなくて)がっかりしたことを思い出した。人が失踪すればナンデモかんでも「ミステリー」なのかよ?!
それでもこの映画は、(「さよなら妖精」と違い)見て良かったと思える作品だったけれど、「同性愛を描いた大人の人間ドラマ」だと紹介してくれていたら違うシチュエーションで見ていた。この時は「ミステリー」を楽しみたい気分だったのに。中には同性愛ものを見たくない人だっているだろうし、本当に紹介はちゃんと正しく書いてほしい。
主人公が同性愛者であることは最初のほうの寝起きの撮り方ですぐに分かるし、別にそれが分かったからといってその後のストーリーが楽しめないわけでもなく、もちろん「ネタバレ」というようなことでも全くない。むしろ、最初から分かっていて見たほうが、いろいろな細かい描写を楽しめる。
岩手県の自然が美しいし、綾野剛の繊細な演技もいい。登場人物は少ないけれど、みんなベテランで安定した演技を見せてくれる。中村倫也のああいう姿も意外に似合っていた。内容が良かっただけに、「ミステリーだと騙された感」だけが本当に残念。
鑑賞日:2020年11月15日
製作:2020年・日本