監督：RYAN COOGLER
出演：MICHAEL B. JORDAN
　　　SYLVESTER STALLONE
　　　TESSA THOMPSON

　劇場で見損ねてから９カ月。ようやく見られたよぉ・・・

　本当に、このシリーズの心地よさには毎回やられっぱなし。なんとまあ居心地の良い、永遠に抜け出したくなくなる、ロッキーの世界。監督はもちろん、この映画を作ったスタッフ全員のロッキーシリーズに対する深い愛をしみじみと感じる。

　そして今回は、いっさい自分が前に出ることなく、老いぼれに徹したスタローンが素晴らしい。スタローンも「大人」になったねぇ。アカデミー賞はノミネートのみで惜しかったけど、マッチョを誇示するこれまでの役では縁のなかった各種章受賞も納得。

　最初、アポロ妻を演じる役者が変わっていたので戸惑った。このシリーズは基本的に役者は変わらないものだと思っていたから。でも調べたら、オリジナルのクリード夫人を演じた役者は2011年に亡くなっていたんだね。それじゃ、仕方がないわな。

　最初から最後までロッキーのパロディというか、流れを踏襲しているのだが、終盤のドラマチックさはロッキーシリーズよりかなり控え目。いやがおうにも盛り上がるいつもの音楽も随分と控えめなアレンジで、使用もごくごく控え目。昔からのロッキーファンを泣かせようと思ったら簡単にできたはずなのに、あえてそれをしなかった監督に拍手を送りたい。

鑑賞日：2016年８月31日
製作：2015年・アメリカ