監督:PAUL HAGGIS
出演:MATT DILLON
DON CHEADLE
TERRENCE HOWARD
BRENDAN FRASER
誰が主人公ということはなく、さまざまな人種、性別、バックグラウンド、社会的立場の人たちの人生が、あちらこちらで絡んでいく。「MAGNOLIA」が好きな人なら、絶対に気に入る。
思いっきり「地元」が舞台。それだけでも親近感が湧く。もちろん、脚本、構成も見事。いかにもありそうなエピソードの連続が、皆の人生を繋げていく。
誰もが、単純な「善人」でも「悪人」でもない。「被害者」である人が、違う立場から見れば「加害者」でもある。「いいヤツ」が犯した大きな罪、「イヤなヤツ」が見せた命懸けの誠意。
実際には、もっともっとイヤなヤツが多い。良心のかけらもない、「悪人」の面しか持っていないヤツが、たくさんいる。そうした点では微妙に「映画してる(現実を美化してる)」けど、でも大部分は合ってる。「これがロサンゼルス」。私は、この街以外に住むことは考えられない。
人種差別が大きなテーマだけに、いろいろな人種偏見が大げさに描かれているけれど、「LOST IN TRANSLATION」をはじめとする多くの「白人映画」に感じるようなムカつきや侮辱は、まったく感じない。おそらく作り手の誠意の違いか。
強いて揚げ足を取れば、メキシコ人と言われる度に腹を立てる女性警官について、「あの顔を見てメキシコ人だと思うヤツはロサンゼルスにいないだろう?!」と、突っ込みたくなったりはしたけど・・・(注:メキシコ人は不法移民の割合が高く、アメリカでは黒人よりも差別され、馬鹿にされることが多い)
鑑賞日:2006年6月22日
製作:2004年・アメリカ/ドイツ