監督:FERNANDO MEIRELLES
出演:RALPH FIENNES
RACHEL WEISZ
DANNY HUSTON
HUBERT KOUNDE
「ナイロビの蜂」という邦題は、なかなかいいのではないかと思う。でもちょっと叙情的に過ぎて、社会派ドラマっぽくはないかな。
ケニアに駐在する事なかれ主義のイギリス外交官と、社会正義に燃えて慈善活動に熱心な妻。夫は、妻が殺されて初めて妻の活動に興味を持ち、亡くなった後で妻に対する理解と愛を深めていく。ラストシーンで夫が見せる、死んだ妻への愛の深さに、胸が締め付けられる。
夫婦の愛を縦糸に、巨大な利権がからむ国際犯罪を横糸に織りなされた、上質なサスペンスドラマ。いかにも優男っぽいRALPH FIENNESが適役。RACHEL WEISZも、普段は可愛いけれど、時に過剰なまでに情熱的な活動家を見事に演じている。
このお話は一応フィクションだけれど、似たような現実はいかにもありそうである。食糧不足、AIDSを含む伝染病の蔓延、貧困などでアフリカ諸国が苦しんでいることは、もちろん事実。
それにしても世の中は、どうして良くならないのだろう? 良くなるどころか、世界中どんどん悪くなっていく。本当にいっそ人類なんていう世にも醜い生き物がすべて滅びてしまえば、さぞや地球はすっきりすることだろう。
鑑賞日:2007年4月8日
製作:2005年・イギリス/ドイツ