監督:DANIEL ESPINOSA
出演:TOM HARDY
NOOMI RAPACE
GARY OLDMAN
JOEL KINNAMAN
連続猟奇殺人事件を追うサスペンスだと思って見たのに、頭のほうは延々と暗い歴史のお勉強やソ連の恐ろしさを見せつけられて、嫌になると同時についていけなくて退屈でもあった。主人公の生い立ちや性格形成過程などを見せる必要があるのは分かるが、メインの時代の主人公の記憶としてインサートで入れてくれたほうが分かりやすかった。仕方ないので(?)最後まで見てからもう一度、最初のほうを見直しちゃったよ。
ぶっちゃけ、猟奇殺人自体や殺人犯より、ソ連という国の社会のほうがよっぽど怖い。まあ、現在のロシアも大して変わっていないと思うし、他にも中国や北朝鮮をはじめ怖い国はたくさんあるし、近未来の日本の姿という話もなきにしもあらず。もっともアメリカだってあそこまで露骨じゃないだけで、「御上(や、巨大=巨悪グローバル企業)に盾突いた奴」はロクな目に遭わない。あな恐ろし。
中盤でようやくメインの(?)連続少年殺人の話になり、だいぶ面白くなってくるも、やはりソ連という国の恐怖がすご過ぎて、殺人事件が怖いとも悲惨だとも気の毒だともまったく思えないのは、どうしたものか・・・。死体もちらっとしか見せないから猟奇性が感じられにくいし、謎解き自体もあまりにあっさりしている。
あれでどうして主人公が名誉回復できたのかも、よく分からない。まあまあ面白かったし、泥まみれの熱演には頭が下がるが、最後は無理矢理きれいにまとめた感じ。
鑑賞日:2019年12月22日
製作:2014年・アメリカ