監督:吉田恵輔
出演:松山ケンイチ
東出昌大
柄本時生
木村文乃
タイトルは「青コーナー」のことだったのか。
三者三様なボクサーたちの群像劇。全編に漂う不穏な空気と松山ケンイチ演じる主人公の穏やかな優しさのバランスが絶妙。ボクシングは、練習シーンも試合のシーンも説得力があって、迫力満点。
東出昌大の身長でウェルター級って、ちょっと無理がない???という現実的なお話はさておき、東出自身の朴訥とした感じがキャラのイメージに合っていて良かった。
柄本時生はボクシング姿が意外にも(?)様になっていた。ど素人からそこそこレベルまで見事に演じ分けていて、さすが。芸達者だねえ。
ところで松山ケンイチって、これまでさんざんいろいろな作品で見てきて今さらだけど、いい声してる。この作品では優しく語る場面が多いので、そのいい声がとても印象に残る。負けても馬鹿にされても、腐らず穏やかで、仏様みたいな主人公である。
ふわっとした、余韻を持たせた終わり方がいい。もし最後まできっちり描いたりしら、とんでもなく暗い絶望的なお話になりそうだもんね。
鑑賞日:2022年3月23日
製作:2020年・日本