☆ BLOOD DIAMOND

監督:EDWARD ZWICK
出演:LEONARDO DICAPRIO
   DJIMON HOUNSOU
   JENNIFER CONNELLY

 ここまで感銘を受けた映画は久しぶり。もちろん「THE DEPARTED」も良かったけど、アカデミー作品賞がどうして「BLOOD DIAMOND」じゃないの?!って感じ。

 単なる感傷だけで良かったと言えるような作品ではなく、いろいろ考えてしまって、うまく感想が書けない。とにかく1人でも多くの人に見てほしいし、この地球上で起こっていることに目を向けて、興味を持ってほしい。

 反政府ゲリラが住民の両腕を切断するとか、子どもをさらって感情のない兵士に仕立て上げるとか、日頃から国際情勢に興味がある人にとっては既知の事実だけれど、それでも映像として見せられるとインパクトが違う。ましてや、国際情勢に疎い、世の中の動きに興味がない人たちにとっては、相当にショックだろう。(国際情勢を知りもしないしショックも感じないという人は、救いようがないけど、ある意味うらやましい)

 それでも、もちろん映画であるから、現実よりは随分と残酷さを薄めて描かれている。現実はもっと残酷だし、今現在も世界中のあちこちで同様のことが起こっている。内戦もイラク戦争のような侵略戦争も、中身は同じである。たまたまそこに住んでいただけの人たちが、納得できる理由もなく殺され、傷つけられ、すべてを奪われ、肉親や愛する者たちと引き裂かれ、例え生き残っても死ぬまで癒えない心の傷を負わされる。

「人間は善か悪か」と問われた主人公が、「人間は人間でしかない」と答える場面が印象的。人間は単に人間であって、善にも悪にもなる。ただ、悪には染まりやすく、悪は広がりやすい。

 たまたま日本(やアメリカ)に生まれたから、住んでいるから、今のところ運良く襲撃されずに済んでいるだけなのに、他人の痛みに対する想像力のかけらもない無知なバカどもが、戦争で大儲けするクソどもにうまくのせられて、戦争をしたがる(戦争=内戦や侵略を含む)。

 JENNIFER CONNELLYが演じるジャーナリストには、世の中の理不尽に対する義憤とは全く異なる次元の、もっと思いっきり個人的な次元で激しい憧憬を覚える。20代前半の頃の私がなりたかったもの、目指していたもの、まさにそのものだから。時は流れ、私はロサンゼルスの片隅で、さしたる目標もなく安穏な人生を送っている。

 さらにもっともっともっと、思いっきり個人的というかミーハーな感想。ディカプリオ、かっこいい。ここまでディカプリオにホレボレしたのは、タイタニック以来か。

鑑賞日:2007年3月25日
製作:2006年・アメリカ


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