☆ blank13

監督:齊藤工
出演:高橋一生
   リリー・フランキー
   松岡茉優
   神野三鈴

 なんだかよく分からないけれども泣けてくる、齊藤(斎藤)工のマルチな才能を感じさせてくれる短編映画(だよね? たった70分だもん)。

 最初のほうは何だかすべてが非現実的で違和感ばかり感じてしまう。そもそもこんなクソオヤジのために、見舞いにすら行かなかった長男が、あんな心温まる葬式なんか出さないだろ。普通は直葬だよ、直葬。それに、どうやって13年も音信不通だった父の知り合いを呼び集めたのか??? でもまあ、そんなこと言ってたら映画そのものが成立しないし、見ているうちに気にならなくなってくる。いや、気にはなるんだけどね(どう考えても貧乏なハズなのに兄が大学出ているらしいこととか、弟が野球なんて道具に金かかるスポーツやってるところとか、車にはねられたら警察呼んで保険金もらったほうが新聞配達より余程儲かるだろ!とか・・・)、本筋とは関係ないからまあいいか、と、許せてくる。

 最初は斜に構えて見ていたのに、後半はなんだか泣けてきてしまう。隣の葬式との対比も、なかなかうまい。でも、冒頭の火葬に関する説明は別にいらないんじゃないの? 本筋と関係ないし、最後に火葬した後の骨を見せるわけでもないし(プラチナはどうなった?!)。海外で上映した際、火葬になじみのない観客に理解してもらうための解説??? それと、最初に出てくる女の子は誰???

 それにしても、主人公の少年時代を演じた大西利空のかわいいこと! 将来はすごいイケメンになりそうだな。

 実話に基づいてるという話だが、実際にこんな男がいたとは驚き。ギャンブルや借金しまくりのクズ男のくせに、酒飲んで暴れたり家族に暴力ふるったりはしなかったなんて珍しい。この手のクズ男はDV男でもあるのが一般的なのに、お人好しで子どもにも優しかったなんて・・・

鑑賞日:2019年2月26日
製作:2017年・日本


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