監督：GERARD BUSH
　　　CHRISTOPHER RENZ
出演：JANELLE MONAE
　　　JACK HUSTON
　　　TONGAYI CHIRISA
　　　KIERSEY CLEMONS

　面白いと言ってしまうには、あまりにもテーマが重いが、先が読めない展開で見ているものを惹きつけて離さない。社会派作品でありながら、エンタテインメント作品としても十分に成功している。

　ただ、白人による黒人虐待の描写は、あまりにも陰惨で見ていて苦しくなる。でも、こういう時代に生まれたかったと、こういう世界を夢見ている白人が実際に結構な数いそうで、恐ろしい。もちろん、白人に限らず、かつて朝鮮半島や中国の人たちを奴隷扱いした日本人とか、同じ人種間でも身分制度を設けて支配したりとか、いろいろな場合があるが、要は暴力で支配することに喜びを覚える人間は意外に多いということ。まともだった人間ですら環境次第で感覚が麻痺して暴力支配に荷担しまうこともある。人間というのは、どうしてこうも「異常」な生物なのか・・・。
（酷い行いに対して「人間じゃない」とか「人間のやることとは思えない」とか言う、おめでたい人がよくいるが、逆に人間じゃなかったら何なの？？？と聞きたい。人間以外に残虐で異常で醜い行いをする生き物がどこにいるのか？！）

鑑賞日：2021年12月11日
製作：2020年・アメリカ