監督:イ・ジュニク
出演:スエ
チョン・ジニョン
チョン・ギョンホ
オム・テウン
行き場を失った挙げ句、戦争中のベトナムに行く羽目に陥った若い女性と、ひょんなことから彼女と行動を共にすることになった男たちの珍道中。いや、珍道中と言いきってしまうにはシリアス過ぎる場面もあるけれど、基本的には軽妙なタッチの作品だ。
最初は鈍くさい田舎娘にしか見えなかった主人公が、どんどん力強く綺麗になっていく様子を見事に演じたスエが素晴らしい。
彼女のバンド仲間たちは皆、「昔、こういう人いたよね」といった雰囲気のなんだか懐かしいような顔立ち髪型服装の人たちばかりで、妙に親近感が沸く。さらに、皆とんでもなく純粋ないいヤツばかりで、見ていて心がほのぼのしてくる。かなりのワルなハズのバンドリーダー(?)からベトコンの闘士に至るまで、「あり得ないだろ!」と突っ込みたくなるほど誰もが実に紳士だ。現実にはこんな荒唐無稽な話はあり得なかったと思うが、映画としてはなかなか良くできている。ものすごく「安心な」ハラハラドキドキを楽しめる、珍しい映画かもしれない。
で、それからどうなったの?って突っ込みたくなるような終わり方だけは私の好みじゃなかったけれど、でも全体としてかなり面白かったし、斬新で飽きなかった。
鑑賞日:2010年12月23日
製作:2008年・韓国