監督:山口雄大
出演:水沢奈子
野口五郎
浅野温子
斎藤工
小学生の頃、皆で回し読みした楳図かずおの恐怖漫画の数々。子ども心にかなり怖かった記憶がある。このDVDをレンタル店の棚で見かけ、「赤んぼ少女」というタイトルはピンと来なかったものの(オリジナルもこんなタイトルだっけ?)、「あの話だ」というのはすぐに分かって、ついつい借りてしまった。
しかし、設定が同じというだけで、原作とはかなり違う話のような・・・。いや、原作の内容とは終わり方とか、ほとんど覚えてないんだけど、でも確か原作ではタマミは、怖いと同時に可哀想な存在でもあったと思う。それが、こんなに凶暴で残忍なんじゃ、単なる化け物。いくら鏡に向かって口紅塗って涙流されても、同情なんて全くわかない。原作ではちゃんとしゃべってたけど(「ほほほ、私はタマミ」というセリフが仲間内で流行った)、映画ではほとんどしゃべらないことも相まって、まるで危険な地球外生物。だって、なんであんなに跳ぶの? なんであんなに怪力なの? 不死身だし・・・。廊下で葉子を追いかける場面など、あそこまでやられると怖いというより逆にこっけいに見えてしまう。ものスゴい勢いで這って来たほうが、まだ怖い。
っていうか、なんかタマミ、チャッキーみたいだし・・・
最後の方の葉子の行動もかなり謎だ・・・(斎藤工演じる弟、かわいそ過ぎ・・・)
2人の少女の関係とか、どうして母親の気がふれたのかとか、もうちょっとはっきりした説明もほしかったな。生き別れになった理由も、なんとなく言い訳っぽかったし。
いろいろ書いたけど、決してつまらないわけではないよ。撮影時弱冠13歳の水沢奈子はまさに体当たりで熱演してるし、特に前半は雰囲気があってかなり怖い。久しぶりの野口五郎も拝めるし。
それにしても浅野温子、タマミより怖いかも。
鑑賞日:2009年11月10日
製作:2007年・日本