監督:吉浦康裕
声の出演:土屋太鳳
福原遥
工藤阿須加
興津和幸
何よりまず、女子キャラの造形が自然でいい。この作品には、あり得ない巨乳や不自然な内股、極端なミニスカート、聞いていると寒気がする「いわゆる」アニメ声などの、ロリコン御用達みたいな女子キャラが出てこないので、安心してストーリーに集中できる。(例えば「聲の形」がいい話だと聞いても、あの超ミニスカートの紹介画像を見た瞬間、見ようという気がゼロどころかマイナスになる)
それにしても、土屋太鳳、声を当てるのがうまいし、歌もすごく上手でびっくりした。感心したし感動した。福原遥は声優のキャリアもあるからうまいのは当然として、工藤阿須加のしゃべりも違和感なし。このぐらい上手だったら、本職が声優じゃないキャスティングも十分アリ。キャスティングした人、見事です。(ジブリも、本職声優以外を使うなら、このぐらい上手な人たちを選んでくれ!)
さて、肝心の物語。最初は「カーテンや窓なんか自分で開けろ!」とか「AIなんかに頼ることの、どこが理想の未来だ」とか、心の中で悪態をつきまくりながら見ていたのだけれど、途中からそんなことどうでも良くなった。
そう、土屋太鳳の歌にやられました。すごい破壊力。上手かどうか以上に、なんか心に響く歌声。小学生の頃、ちょくちょく(もちろん生で)見たミュージカルを思い出した。懐かしいような胸がキュンとするような、とても心地よい歌声。
そして、ちょうど真ん中辺りで「もうクライマックス?!」と思うような感動シーンの後の衝撃展開に唖然。あとはお約束の「突っ走れ! 青春!」
この作品は、理屈や合理性や現実的かどうかなんか、どうでもいい。そんなこと考えても意味がない。とにかく見たままを受け入れて素直に楽しむ、青春ファンタジーなのだ!
鑑賞日:2022年5月12日
製作:2021年・日本