この映画は「ジュラシック・パーク」のスタッフ、「スピード」の監督、ということで制作にも宣伝にも金かけまくり。配給元のパワーに物言わせて、多数スクリーンのある公開館など半分近くのスクリーンでこの作品を上映しているのですから。どれほどのもんじゃい、と私も見に行って来ました。
最初は何だか自然科学の教材フォルムを見せられているようでしたが、途中から典型的な研究者物のストーリーに突入致しました。確かに竜巻の映像は凄いですが、ストーリーは期待を裏切るところは一つもありません。主人公の旦那の恋人など、もっとネチネチした嫌な奴に描いてあげないと、これではまるで主人公が嫌な奴です。それに、どこの誰がたった1回の人生で2回も3回も家を吹き飛ばされるようなところに住むものか、こんな竜巻にあんなペースで襲われた日にゃぁ大地震どころじゃないぞ、という非現実的なところが目についてしまいます(本当だったらその地域の方に敬服致しますが)。最も、映画の公開日に計ったかのように「竜巻を追いかけている人たち」が前代未聞の竜巻の撮影に成功しました、とニュースで放映していた映像は映画の竜巻の半分もありませんでしたから、実際はあんな凄いのは何十年に一度なのだとは思いますが。
これは、私は見ていないのですが「アポロ13」のように特撮だけが話題になって、作品としてはそれほど評価されないでしょう。お陰で異様に長いエンド・テロップになっています。もの凄い竜巻を見に行くのも悪くないとは思います。
鑑賞日:1996年5月20日
映画館:AMC BURBANK 14
バーバンク