□ TWILIGHT

監督:ROBERT BENTON
出演:PAUL NEWMAN
   SUSAN SARANDON
   GENE HACKMAN

 久しぶりのスーザン・サランドン。彼女が大好きな私は、もちろん公開直後に観に行った。おまけに共演がポール・ニューマンにジーン・ハックマン。これだけ役者が揃っていて面白くないとか退屈なんてことがあったとしたら、それは逆に監督や脚本家の才能のせいと言える。

 私が認めるアメリカの凄い面の、かなりの部分をハリウッド関連が占めている。技術的にも素晴らしいし、役者および全てのスタッフの競争(すなわちレベル)も世界一だろう。しかし何が凄いって、いい加減いい歳を過ぎた男女の色恋が全く不自然ではない、時にはガキのそれより逆に魅力的ですらある年寄りの恋愛。これを描かせたら、ハリウッドと、ハリウッドの快優たちの右に出る者はないだろう。

 それにしても、ポール・ニューマンが73才とは恐れ入る。人生、最後の最後まで絶頂期のまま楽しむつもりらしい。大好きなサランドンはすっかり老け込んだ顔をしていたが、あの自信に溢れた大きな目と文句のつけようのない演技はやっぱり最高。それに、次の映画では見事に若返ってくるかもしれない、これもハリウッドだ。

 題名は「トワイライト」。私の愛する、最近では映画で観ただけで恋しくて切なくなってくるロサンゼルスの夜景。空と街の境目が、一番美しくぼやける薄暮の時間。人生のトワイライト。反射を多用した映像。鏡に、ガラスに、映る自分の姿、相手の姿、街の明かり、盛りを過ぎた人生の光、銃弾でこなごなに崩れてゆくガラス・・・

 静かに、穏やかに、人間の暗部まで包み隠す闇の中で美しく光る夜景のような・・・。大人の映画。

鑑賞日:1998年3月10日
映画館:SONY THEATERS LINCOLN SQUARE
    アッパー・ウェスト


− 映画感・Part2の目次に戻る
− 映画関連コーナー目次に戻る
− トップに戻る