コミックを原作にした、軽〜いコメディです。久々に見た世紀の悪役（が、ぴったりだと私は思っている）トミー・リー・ジョーンズは、今回は政府の秘密組織のエージェントで、渋くキメています。お馴染み、隣の格好いいお兄ちゃん風ウィル・スミスは、ボケ役で笑いをふりまきます。

　予備知識なし、とりあえず笑える映画、ということで見に行きましたが、いきなり何が起こっているのかわからないままのスタート。とりあえずジョーンズの黒づくめが似合う・・・場面変わってニューヨーク。やっぱり訳がわからないまま、とりあえずスミスの動きは軽快でノリノリ。

　どうやら、ニューヨークはエイリアンだらけらしい、ということがわかってきます。これって、結構、上等なジョークです。ニューヨークは、旅行者だろうと田舎者だろうと外国人だろうとニューヨーク生まれだろうと、誰も気にしないし、誰にもわからない。現実のニューヨークも、全員がエイリアン（異邦人とでも訳せばいいでしょうか）みたいな街なのです。 ですから他のアメリカと全く違っていて、英語が下手だろうと背が低かろうと、誰も気にしないし馬鹿にされることもないのです。

　しかし、本当にコミック・ブックをそのまま映画にしたような作品です。ゴキブリ（らしき虫）がたくさんでてくるので、ちょっとひいてしまいましたが、よく見掛けるヤツとは少し違うようなので許してあげます。愛敬たっぷりのエイリアンたちの愉快な様子をたっぷり楽しみましょう。

　先週見たFACE/OFFが極上のチャイニーズ・イタリアン（？）だったために、いわばファーストフードかスナック菓子といった雰囲気のこの作品、比べてしまうと食い足りなさを感じてしまいますが、これはこれでなかなかよくできたおやつではあります。私の少々、寝不足続きでお疲れだった頭も、笑い飛ばしてスッキリ爽やか。上映時間も短めだし、気分転換にどうぞ。

鑑賞日：1997年7月29日
映画館：SONY 34th St. SHOWPLACE
　　　　ミッドタウン