先頃、アカデミーを受賞した「DEAD MAN WALKING」同様、死刑囚を扱った作品です。死刑囚をストーン、たまたま兄の紹介でみつけた仕事でいきなりストーンのケースに当たってしまい、彼女を助けるために全てをなげうって東奔西走する、一応法律家の放蕩息子をモローが演じています。
これは完全なメロドラマで、「DEAD MAN WALKING」のような作品としての素晴らしさはあまり感じられません。脚本が悪いのか監督が悪いのか、はたまたそういった狙いなのかはわかりませんが。ただ、両人の演技はかなりいい線いっています。出だしでは情けない男に見えたモローの表情が、後半とっても良くなってゆきます。ストーンは、最近ではすっかり演技派に転じたようです。
さて、人はこういった映画を何故見るのか考えてみると「悲しい気分になりたい」「泣きたい」などという要因があるのではないかと思われます。その点で、この映画は完璧にその欲求を満たしてくれる娯楽映画であると言えます。つまり、昼メロとしては最高点でしょう。
最後の音楽が終わっても、明るくなるまで大部分のお客さんが席を立てなかったという作品です。実は私も「明るくなる前に何とか普通の顔に戻さなくては」と必死でしたが・・・。
鑑賞日:1996年5月19日
映画館:AMC BURBANK 14
バーバンク