□ ANTONIA'S LINE

監督:MARLEEN GORLEEN
出演:WILLEKE VAN AMMELROOY
   ELS DOTTERMANS
   JAN DECLEIR

 偶然チケットを入手したために見に行ったのですが、これが予想外にデキのいい作品でした。オランダ映画ですが、雰囲気は「ホテル・ニューハンプシャー」によく似ています。あれほど訳がわからなくはないですが。

 主演のAMMELROOYは若くはないけれどなかなかの美人で、肝っ玉かあさんといった役どころをうまく演じており、作品中での時の流れに従って見事に自然に老けてゆきます。物語は彼女が娘を連れて故郷に帰ってくるところから始まり、家族に看取られて死んでゆくところで終わっています。要は彼女の半生記なのですが、村の人々や家族の間に起こる当たり前のような当たり前でないような様々な出来事をしっかり笑いも交えながら穏やかに淡々と描いています。時は皆の上に確実に流れてゆき、人は去り、また新しい命が生まれ、そして時代は巡ってゆく。優しい作品です。

 自分もこうしていつか歳をとり人生を振り返る日がくるのだろうか、大切な人たちも皆いつかは去って行ってしまうのだろうか、と少し寂しい気分になりましたが本当に見て良かったと思えた作品でした。アカデミーでは「BEST FOREIGN LANGUAGE FILM」にノミネートされていますが、日本でも公開されるでしょうか?

鑑賞日:1996年2月29日
映画館:GOLDWYN PAVILION CINEMAS
    ウェスト・ロサンゼルス


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