場面もイギリス、スタッフや出演者もアンディ・マクドウェル以外はイギリス人というイギリス映画です。なぜか結婚式にいつも寝坊して遅刻しそうになる独身の色男ヒュー・グラントが、偶然出会ったアメリカ人女性アンディ・マクドウェルに恋をするロマンチック・コメディーです。
今までパートナーもしょっちゅう変えて遊び放題、人生を楽しんできた仲間たちも30を過ぎて、少しずつ身を固めてゆきます。さあ自分はどうしよう、と悩む主人公をいい奴にしか見えないヒュー・グラントが好演しています。コメディーとはいうものの、笑わせようという意図がみえみえのわざとらしい場面はなく、センスのいいユーモアとうまい演出で自然に笑わせてくれます。しっとりとしたイギリスの景色と、長身の主人公たちが繰り拡げる大人のラブストーリーもとてもよくマッチしています。ありそうなエピソードも多くて、なんだか身につまされたりもします。
クライマックスは最後の雨のシーン。ヒュー・グラントがずぶ濡れになりながら言うセリフがあまりにも素敵で(字幕を作る人の責任は重大です)涙が出てしまいます。でも映画を見て泣けない人も心配はいりません。ロマンチックが好きな人もそうでない人も楽しめる大人の映画です。
鑑賞日:1994年4月20日
映画館:AMC CENTURY 14
センチュリーシティ