私の大好きなスーザン・サランドンの新作です。物語は7人もの息子がいる家族のお話で、息子の1人が事件に巻き込まれたことから実家に集まってくる家族の数日間のできごとが母親であるサランドンを中心に描かれています。
家の中の場面が多く大きな展開のある映画ではありませんが、サランドンの光る演技に支えられて決して退屈はしません。7人もの息子を育てる母親の悩みや苦しみ、うまくいっていない夫婦の関係、息子たちのライバル意識や心の葛藤が丁寧に描かれています。息子たちはそれぞれに個性的で微妙な心の動きをきれいに演じています。時々目が見えなくなるという奇妙な病気を持ち、問題はあるけれども本当は子供たちから愛されている父親を演じるシェパードも、ちょっとダメだけどいい奴という役どころをうまく表現しています。そして、時に非常に力強く息子たちを守り、時に一人悩み、懸命に生きている女性を演じるサランドン。彼女の得意とする役どころであることを差し引いても秀逸だと思います。
重い映画はちょっと、という方には向かないかもしれません。でも、アクションやサスペンスもいいけれど、たまにはこんな映画を見ながらしっとりと家族の絆なんてものについて考えてみるのも良いのではないでしょうか。
鑑賞日:1995年1月12日
映画館:AMC CENTURY 14
センチュリーシティ