これは感染後数日で人間を死に至らしめる細菌がアメリカを襲う、という一種のパニック映画です。私はこの作品を見ていて背筋が寒くなりました。10年前ならこの手の映画は「タダの怖いお話」だったのでしょうが、エイズが広まり地下鉄でサリンがまき散らされる今日この頃、作り話だと笑ってはいられません。
ホフマン演じる軍のウィルス学者がアフリカから持ち込まれた恐怖の病原菌と、そしてペンタゴンのお偉いさんとも戦う、というお話ですがとにかく感染した人達の様子が非常にリアルでとっても怖いのです。どんどん病気が広まってゆくあたり、見ながら思わず「ダメ〜!」と叫びたくなってしまいました。悪玉を演じるサザーランドが役にはまっている、とかホフマンが格好良くなった、とか何故ペンタゴンが理屈に合わない工作をしなくてはならないのか、なんていうことはどうでもいい感じです。ちゃんとヘリコプター・アクションも出て来ますし、ホフマンと別れた妻とのサイドストーリーもあります。しかし、何といっても主役は病人達でしょう。
総合的な作品としての評価は今一かもしれませんが、ゾッとする映画という点では満点だと思います。それにしても1999年にこんな病原菌が人類を滅亡させてしまわないことをひたすら祈ってしまいます。
鑑賞日:1995年3月20日
映画館:AMC CENTURY 14
センチュリーシティ