おどろおどろした映画のベテラン監督、ジョン・カーペンターの新作はホラー映画の王道を行っています。「サスペリア」が流行った時代に次々と作られていた恐怖映画のようなノリで、当時の作品群のファンだった私としては個人的に大好きです。
現実と幻覚の世界が入り交じっていて、見ている方もどれが現実でどれが登場人物の幻覚なのか全然わからなくなりますが、怖さはバッチリです。スプラッター派にも心理派にも楽しめる作品です。ニールの情けない顔が恐怖におののく主人公にぴったりです。また、悪の親玉(?)を演じるプロチノワのちょっと格好良いけれどもいやらしい顔が期待を裏切らなくて最高です。さすがにベテラン監督だけあって全然はずさないのですが、逆に展開が読めてしまうというつまらなさはあるかもしれません。ただ以前紹介した「DEMON KNIGHT」のような子供っぽい脅かし映画ではありません。
何となくスティーブン・キングの作品を見ているような気にならないこともないのですが、この手の作品はそんなに目新しいストーリーが作れる訳でもないので致し方ないでしょう。夜一人で寝るのが怖くない人は是非見てください。
鑑賞日:1995年2月10日
映画館:AMC CENTURY 14
センチュリーシティ