久しぶりにニコラス・ケイジを見ました。この人の顔はかなりアクが強いのですが、この映画では普通のいいおじさんに見えます。いいおじさんどころか「こんないい奴、絶対にいない!」というくらいのお人良しを演じています。スペイン語訛りでまくしたてるガメつい奥さん役のロジー・ペレスといいコンビです。
映画は人が突然大金持ちになった場合にどう変わってしまうのか、あるいは変わらないのか、両極端の夫婦を通して描いていきます。ペレスの役どころはすごく嫌な奴なのですが、いかにもいそうな感じでこっけいでさえあり、何となく憎めません。ケイジと恋におちるブリジット・フォンダがまた、いかにもニューヨークにごろごろいそうな普通の女の子を好演しています。その辺にいくらでもありそうな平凡な人達の生活に、そうはない宝くじの大当りをからめて描かれる人間模様はおかしくもあり、悲しくもあります。
結局、最後に残るのは愛かお金かという二者択一かと思ったのですが・・・。やっぱり世の中、捨てたもんじゃない、いい人達もいっぱいいる、情けは人の為ならず。とっても優しい気分にさせてくれる映画です。
鑑賞日:1994年8月1日
映画館:AMC CENTURY 14
センチュリーシティ