☆ DOLORES CLAIBORNE

監督:TAYLOR HACKFORD
出演:KATHY BATES
   JENNIFER JASON LEIGH
   CHRISTOPHER PLUMMER

 スティーブン・キング原作、キャシーベイツ主演と聞いて「ミザリー」のような恐ろしい映画を想像していたのですが、脚本のせいか演出のせいかシリアス・ドラマという感じの作品になっています。

 老女が階段から落ちて死ぬ場面から始まり、多くの回想シーンを挟みながら物語は本当に淡々と進んでゆきます。ケチのつけようのない名優ベイツはもちろんのこと、娘役のリーも神経質なすばらしい演技を見せます。ただ、どうせならサスペンス仕立てにするとか見ている人間が推理できるような展開にするとか、もう少し何とかできなかったものかと思います。二女優の演技は完璧なだけに非常にもったいない気がします。逆に言えば、この映画は彼女たち抜きでは駄作になっていたでしょう。さらに最後のオチと思われる場面は全く馬鹿げていて、せっかくのそれまでの二人の名演技まで台無しにしてしまう程です。

 ベイツ主演ということでかなり期待して見に行ったためにちょっとがっかりしてしまいましたが、決して見ていてつまらないという訳ではありません。2時間10分の長編作品ですが、特に長いとは感じませんでした。まあ、今回はベイツも作品に恵まれなかったというところでしょうか。彼女の次作に期待しましょう。

鑑賞日:1995年3月25日
映画館:MANN CRITERION
    サンタモニカ


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