私の大好きなスーザン・サランドンの新作映画です。随分と前から予告をさんざん見せられていたのでわくわくしながら見に行きました。サランドンが弁護士役、悪役ばっかりのトミー・リー・ジョーンズが相手役ということなので、てっきりジョーンズに無実の罪をきせられた少年をサランドンが弁護士として守る裁判物かと思ったのですが違いました。ひょんなことから事件にまきこまれてしまった少年と、彼を母親のように助けるサランドンとの心の交流がメインになっています。ジョーンズも今回は特に悪役という訳ではなく、単に職務に忠実な検察官を演じています。

　子供も失い、負け犬になりつつあった弁護士の微妙な心の動きを演じるサランドンが最高です。ジョーンズも、さすがにベテラン。サランドンとの掛け合いも絶妙です。この人は最近テロリスト姿ばかり見ていたので、きちんとした格好も似合うものだなあと変に感動してしまいました。

　同一原作者の前２作（「The Firm」と「The Pelican Brief 」）とは少し趣が異なり、サスペンスや法廷での激しいやり取りを期待すると裏切られますが、サランドン演じる弁護士が心の傷から立ち直っていく様子や反抗的だった少年が徐々に心を開いてゆく過程を描いて、かなりデキのいいドラマだと思います。

鑑賞日：1994年7月27日
映画館：AMC CENTURY 14
　　　　センチュリーシティ